《MUMEI》

オレが歩くと…フワフワ…フワフワ…風船が揺れる…


『ママー、風船、可愛いね!』


クスクスッ…
周りの人が笑ってるよ。


『右京〜恥ずかしいよ〜コレ!外すぞ…』


『ダメ!迷子になるから…』


その時〜後ろで子供の泣き声がした。
『ああ〜ん、風船〜!』


『諦めて…ね、飛んでちゃったんだから…』

『ひっく…う…ぇっ』


『はい、これあげる。』
オレは泣いてる女の子に風船を差し出した。


『わあ、うさぎちゃんだぁ?』


『あ…あの…良いんですか?』
母親が、心配顔で聞いた。

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