《MUMEI》 「安心‥ですか?」 「リュートが、本当に私の為に頑張ってくれて、だから私──凄く安心したの」 「───────」 「報酬に血を分けて欲しいって言われた時も──初めはちょっと恐かったけど、平気だったよ」 楽しそうに御話しになるアンリ様。 「傷治してくれたり、熱下げてくれたり。それに、こんなに綺麗な指輪もくれて──」 ネックレスチェーンに通された指輪にそっと触れられ、その御方は微笑んで下さいました。 僕は、本当に嬉しくて堪りませんでした。 前へ |次へ |
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