《MUMEI》
謎のお方(櫻視点)
「ど、どちら様ですか?」

《会うのは初めてだったな》


スルリ


私から離れると、その方は私と蒼様を交互に見つめました。


何て、綺麗な色


平安時代の貴族を思わせる服装をしたその方の髪と瞳は


桜色をしておりました


それに、この顔…


どこかで見たような?


《似てるだろう? そなたと》

「え!?」


…私!?


「どっからどう見ても、お前だろうが。つーか似すぎてて気持ち悪いぞ」


離れた位置から、蒼様の


呆れた声が聞こえました


「で、でも! どうして?」


どうしてこの方と私がそっくりなのでしょう?


《今から、説明しよう。百人目も、こっちに来い》


「蒼様と呼べ、マロヤロー」


睨みながら、蒼様は


マロヤロー様に近付きました


《…礼儀知らずだな。



我は… 桜花(おうか)

桜花様と呼ぶがいい》

「いいからとっとと説明しろ」


蒼様は桜花様の向かい側にあぐらをかいて座りました

《…よかろう》


私と蒼様は、桜花様の話に耳を傾けました

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