《MUMEI》
師匠 〈おれ〉
「こんにちは!!」



大きな声を出して、道場の扉を開く。


いつもは大工として働いてる師匠。
今日は、ここにいるはずだ。



「…あれ、蓬田さん」



驚いたような顔をした師匠が、奥の部屋から現れた。


おれは、黙って頭を下げる。



「…今日はどうしたの?1人で来たの??」


「はい。―…ししょ…清水さんに、聞きたいことがあって」



おれが言うと、



「お、何だろうなあ。答えられることなら、何でも訊いてごらん。
さあ、どうぞ上がって」


「…失礼します」





―…おれのお袋と、清水さんが―…



蓬田の言葉に、おれは驚いたけど、



おれは、




おれの気持ちを、師匠に伝えたいと思った。

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