《MUMEI》 食堂にて〔守護騎士団第一食堂〕 そう書かれている部屋では大声が響いていた。 「きゅ〜〜〜飢え死にする〜〜〜彩〜〜〜・・・」 声の主はごま、ぐて〜っとテーブルに寝そべっている。手にはフォークにナイフ。 「式夜が呼びに行ったからすぐ来るよ。」 バンプが声をかけるが、きゅ〜と返事をするだけである。 「先に食べればいいじゃないか。うん、今日も飯はいい感じだ。うまいね〜仕事の後の飯は最高。」 忙しそうに箸を動かしながらべらべらと喋っているのはロナイ。 食堂は第一、第二とあるがどちらを使うかは基本的に自由。今は丁度飯時で、食堂には多くの騎士たちが食事をしている。ごま達が席を占拠しているのは、二階の窓際の8人用のテーブル。席に座っているのは、ごま、バンプ、ロナイの三人だけである。ロナイは副団長でもなんでもないが、いつも一緒に食事をとっている。 「横で聞いてるだけで楽しいからな。」とロナイは言っていた。 「ダメなのだ〜晩御飯はみんなで一緒に食べるからおいしいの!だから彩が来るまで待つ。でも・・おなか減ったきゅ〜〜〜」 試合のときからは考えられないくらいのんびりとタレている。これ以上は無いと言えるくらいにのぺ〜っと。 この「のぺ〜」具合が何故か人気だったりするごま。ちなみに本人は気が付いていない。 「ごめん〜遅くなった。えっと・・迷子になったんだって。その・・人生の?」 なぜかバンプに振りながら席に座る彩詩。 「僕に聞かれても・・って返しても意味無いんだろうなぁ。」 「おう団長!お先に喰ってるぜ。で、式夜と拾ってきた坊主はどうした?置いてきたんだな。まったくうっかりしすぎだろ〜。」 あぐあぐと食事を続けるロナイ。一応彼は医師なのだから栄養とかを気にするべきなんじゃといった突っ込みはまったく意味をなさない。ロナイ曰く「喰える時に喰う。それで健康になる。」だそうだ。 「置いていかれた訳では無い。こいつを案内していて遅くなっただけだ。」 やや後方にいる狩月を示しながら彩詩の隣の席に座る式夜。 「狩月〜ここ座りなよ。」 追いついてきた狩月にこっちこっちと手招きをしているバンプ。戸惑いながらも隣に座る。 ごまはさっさと注文を済ませて届くのを待っている。嬉しそうに「ご飯〜ご飯〜きゅっきゅきゅ〜」と歌まで歌っている。 「好きなの頼んでいいよ〜お給料貰ったばっかりで結構お金持ちだから。」 彩詩たちは、すでに何を食べるか決めていたようで注文を告げていく。とりあえず目に付いた日替わり定食を頼む狩月。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |