《MUMEI》 「クッションくらい置こうよ、フローリングでごろごろしにくいし。」 洗い物を俺がしている間に暇を持て余して文句たれてきた。 「忙しいもん買ってきてー」 今日だってやっと休めたんだ、学校と仕事の生活で国雄の家から通う日もあった。 こうして休日らしい休日は久しぶりなのに…… 「ネットオークション使えよ現代っ子ー。」 洗い物のふきんで拭く係をやってくれた。 「何の図鑑見てたの?花と宇宙と……」 他にもあったっけ。 「爬虫類。」 「そうそれ。」 すっきりした。 「俺、蛇好き。」 「 うわ、似合うー。蛇似合うー。」 蛇、ハマリ過ぎ。 「腕に蛇のタトゥーでも入れようとしたんだけどヤーさんみたいになるし痛いから止めたさ。」 それは初耳でした。 「入れるなら一緒に行こうよ、互いの名前入れるの」 「馬鹿、事務所と体共有して爽やか俳優の仕事してる奴がそういうこと勝手にしちゃ駄目なの。」 真剣に諭された。 軽率だったのかな……? 「……蛇はねぇ、聖書では禁断の果実を唆してイウ゛に食べさせる悪いやつなんだよ?国雄は唆したりはしないよね。あ、禁断の果実食べる?」 林檎を買ってあったんだった。 「林檎は明日でいいや。……聖書か、詳しいね。」 「ウチ、祖父母クリスチャン。」 今は疎遠だけど…… 「うおー、マジか。」 ふきん係静止、いい反応してくれた。 「マジです。俺自体は浄土真宗ではないかと?なむみょーほーれーい……みたいな。」 「それは日蓮宗ね。」 「あら間違った。」 盆に墓参りする習慣ないからな。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |