《MUMEI》 (こいつ──よく俺の居場所が分かったもんだな‥) 草助は、ただ黙り込んでいるしかない。 雛菊の背を見つめて。 雛菊は彼を庇うようにしながら、相手と対峙している。 (こいつは‥何を考えておるのだ‥?) 向かって来ない相手に、雛菊は些か戸惑っていた。 「貴様──‥何者だ」 だが、答える必要は無いとばかりに、その男はただ姫を見据えている。 やがて刀を下ろすと、男は雛菊に背を向けた。 「何処へ行く」 だがやはり返事はなく、男はゆっくりとその場を去って行った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |