《MUMEI》 その顔で居てくれ!『……』『……』 ズズッ… コーヒーを啜る僕。 スパー…プカァ… 煙草を燻らす橋元先生。 暫しの沈黙の後、橋元先生が口を開いた。 『宇佐美くん?』 『はい?』 『辛気臭い!』 『は?』 『いつまでも…メソメソと…男が泣いて良いのは〜産まれ落ちた時と、財布を落とした時だけだ!』 『ブフッ、なんですか?それ?産まれた時は分かりますが、財布無くした時?泣いて良いんですか?それで(笑)』 『おっ〜やっと笑ったな!俺の担当なら、その顔で居てくれ。』 煙草を口の端に加えたまま、ニヤッと笑った顔が、またキザッぽい。 前へ |次へ |
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