《MUMEI》
鐘が鳴る
下校の鐘が鳴る。

学生服を着た少年達が細い一本道を歩いてる。
「中村やり過ぎたんだって」
「はあ?俺かよ!テメーらも一緒になって遊んでたじゃねーか、他の皆だってシカトしてたじゃん」

「何にしてももうこの鈴は持ってても意味無いな」
一人がポケットから金色の鈴を出した。

「すっげえいい反応したよな、金もいくらでも持って来てくれたし?」

「いつまでもそんなもん持ち歩くなよ、気持ち悪ィ」

「呪われるぞ!」

「じゃーコレ受け取って。」
「やめろよ!」
金色の鈴を、汚い物をなすりつけ合うようにパス回しをする。

彼等から三番目の電柱の陰から、ランドセルを背負った少年が飛び出して来る。
「うわ、何だよクソガキ!」鈴を持った一人に少年はしがみついた。

「それは、兄ちゃんのです。返して、返して!」
必死の形相で叫ぶ。

「言われなくてもこんなもんいらねーよ!」
金の鈴は鬱蒼と茂る芝に投げ入れられた。
「チッ、何だあの気味悪いガキは……」

少年は鈴目掛けて芝の中へと走って行く。

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