《MUMEI》
「それよりも‥傷は大丈夫なのか」

「ぁぁ、お陰様で──」

「あまり無理はするなよ」

「心配すんなって。お前こそ大丈夫なのか？」

「何がだ」

「いや、ほら‥怪我とか」

「私を見くびるで無い。これでもお前と別れて居た間──鍛練は欠かさずにやってきた」

「───────」

「忘れるな。私との約束を」

「──ぁぁ」

「‥それで‥」

「？」

「まだ着かぬのか、目的地には」

「ん‥、何だ、疲れたか？」

「そうは言うておらぬであろう」

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