《MUMEI》

「っし、着いたぜ?」

 草助が雛菊を連れて来たのは、

「蕎麦屋‥?」

であった。

「まだ食った事ねぇだろ?」

「蕎麦とは‥どういった料理なのだ‥?」

「まぁ食ってみりゃ分かるって」

 些か強引に、草助は雛菊を店の中に引っ張り込んだ。

「‥む‥、蕎麦とは変わった形をしているな」

「ほら、食ってみな」

「ぁぁ‥」

 雛菊は箸を取り、恐る恐る蕎麦を口に運ぶ。

「───────」

「どうだ?」

「──ぁぁ、なかなか美味だな」

「よっしゃ」

「お前は食べぬのか、草助」

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