《MUMEI》
LAST2
今日も
家族のいつもと変わらない
日常的な毎日が始まる…。

いつもと 変わらない家族の笑顔…。

そんな家族の笑顔を見ながら陰で泣くボク…。

ボクは ひとり 悲しくて
そんな日常から 離れて ポツンと ひとりぼっち。
ボクの気持ちをよそに
時間は どんどん流れる。

こんな感覚は 以前にもあった。

ばあちゃんが死んで
通夜 葬式 をしている時だ。

ばあちゃんは
ボクにとっては 半分は母親だった。

厳しくて怖い父親には
甘えられずにいた。

ばあちゃんは
ボクを可愛がってくれた。

ボクも甘えられた。

だから

ばあちゃんが
急に死んだ時
すごく悲しかった。

なのに

世間では
いつもの日常の時間が流れていた。

何だか
別々の世界にいるみたいだった。

今は
ずっと そんな感じがしている。

あるとき
女の人が洗濯物を干していた。

日常 どこにでもある 風景…

でも
今のボクにとっては
それさえも
うらやましく思えてしまう…。

もうすぐ
この世から
消えようとしている
ボクには
とても幸せな風景…。

よく…

『死ぬ勇気があるなら何でもできるはず!』

って いうけど…

ボクから してみれば

『行き続ける勇気がないから死ぬんだ!』

と 思う。

ボクも 以前は
『死ぬ勇気があるなら…』と 思っていた。

でも 違った…。

死ぬ怖さより

家族の愛を無くして

ひとりぼっちになって

作り笑いして

生きていくことのほうが
ボクは怖い…。

耐えられないよ…。

もう そろそろ限界かな?
明日
家族の行事がある。

何とか 一緒に過ごせそうだ…。

それが 終わったら…。

今日も
この世の風景を
目に 焼きつけよう…。

今日も 家族との
幸せな時間を 大切にしよう…。

ボクは

ボクの三度も犯した罪を 懺悔しながら…

今日は 生きよう…。

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