《MUMEI》
新しいシーツ
俺から離れ裕斗はクローゼットから真新しいシーツを出した。
きっちりと折目の入ったまだ新品そうな、真っ青なシーツ。
ベッドから色褪せたシーツを剥がしバサリとそれを敷く。
窓際に行き遮光カーテンをきっちりと引き、部屋中が薄ら暗くなった。
なんとなく立ち上がってそれを見ていた俺に裕斗はゆっくりと近ずいてきて、片腕で俺をやんわりと引き寄せてきた。
俺の正面には裕斗のくっきりと浮きあがった綺麗な鎖骨。
そして熱い体温、
…何時もの、香水。
「ベッドいこうか?」
「………
うん……」
肩を抱かれながら移動し、二人並んでベッドに座る。
少し俯いたままの俺の頭にチュッとキスの音がした。
俺は体を捻って裕斗の二の腕に掴まると、背中を優しく摩られて、
さらに俺は体重を裕斗に預けて………
自然に腕が絡まりあい、キスが始まった。
それは触れるか触れないかのキスから始まった。
温もりを確かめあうだけのキスを数回
上唇と下唇を交互に何度か吸われた
唇の端から端までゆっくりと舌先で辿られて
背中にしがみつきながら甘い吐息を吐くと
熱い舌が俺の中に入り込んできた。
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