《MUMEI》

「ア゛ー……しみる……」

風呂が広いって素晴らしい、湯舟に二人で浸かれるなんてそうは無い。


「首に噛み痕残った……」

光が喉に散る赤みを指す。

「お洒落ー。」

手の甲を摘まれた。


「結局俺の身体って国雄と共有してるような……。」

ぶくぶく、顎まで浸かる。
無茶苦茶し過ぎたか、ご機嫌ななめだ。


「あ、光、明日は早起きだからね……?」


「えー、何で?まったりしないの?」


「光の家行くから……」





「えっ?何ぃ?」


「挨拶、行くんでしょう?」

仕事だと思って光の携帯を応対して、それが光の母だったことがきっかけで会う算段になったのである。


「その為の黒スーツ?」


「当たりー。」

奥様達に評判が良ければこのままで行こうとしてた。


「何で内緒にしてたの!」


「照れ隠し?」

なんてな。


「酷い人……!幹祐の名前出したからヤキモチ妬いて怒っているかと思った。」

勘が良いな。


「……光君ご飯作るから許してくれる?」


「……ビーフシチュー!」

時間かかりそうなやつをわざと選んだな。


「あのスーツで光ママ大丈夫?」


「全然スーツ嫌いだから大丈夫!」

それ、駄目じゃん……

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫