《MUMEI》
宇佐美の涙
『…!!』
すると、宇佐美の奴、俺の顔を見て固まったんだ。


『何か?宇佐美様。』もう一度、ふざけたら〜宇佐美の目から涙が溢れた。


『え?オイッ!なんだ?どーした!』


俺の声は…少し高い声で…女性っぽい。


涙の訳…それは〜宇佐美の愛しい人…菜江さんが原因だった。


つまり、菜江さんは〜宇佐美の事を、『宇佐美様』と呼んでいた。


俺の『宇佐美様』と呼ぶ声が菜江さんの呼ぶ声にそっくりらしい…


『あ…すみません、なんか情けないな…僕は。』
すっかり悄気てる、宇佐美を元気付ける為に…酒でも飲んで、忘れようってな事になったんだが…


まさか、それがこうなるとは…

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