《MUMEI》
ごあいさつ
「な、これでいいか?私服のが良かったかなー?」

今更何をうだうだ言ってるんだこの人。


「ちょっと髪型気合い入れすぎ。前髪上げるとヤンキーぽいから。」

程よい量を前に垂らしてやる。


「ばっちり?」

にんまり、微笑む。


「素敵。」

どれほどの老若男女が、彼に心奪われたか。
今、俺に効果音を付けるなら“ぽっ”だろうか。


「ありがと」

欧米ノリでキスを贈られた。


「これでバス乗っちゃうのが凄いよ。」

ばっちり黒スーツで長時間バスだなんて……実家は田舎方面だから二時間はバスに揺られる。
いや、田舎といっても国雄さん程辺鄙なとこではないけれど。


「ンマイ棒持ったから大丈夫。」

それは関係ないけど。
ンマイ棒持つ国雄……CM撮れるぞ。この、おちゃめさんめ……。


「ポタージュ味は持った?」


「サラダだろ。」


「えー。」

不満だ。
ンマイ棒はポタージュだろう。

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