《MUMEI》 ごあいさつ「な、これでいいか?私服のが良かったかなー?」 今更何をうだうだ言ってるんだこの人。 「ちょっと髪型気合い入れすぎ。前髪上げるとヤンキーぽいから。」 程よい量を前に垂らしてやる。 「ばっちり?」 にんまり、微笑む。 「素敵。」 どれほどの老若男女が、彼に心奪われたか。 今、俺に効果音を付けるなら“ぽっ”だろうか。 「ありがと」 欧米ノリでキスを贈られた。 「これでバス乗っちゃうのが凄いよ。」 ばっちり黒スーツで長時間バスだなんて……実家は田舎方面だから二時間はバスに揺られる。 いや、田舎といっても国雄さん程辺鄙なとこではないけれど。 「ンマイ棒持ったから大丈夫。」 それは関係ないけど。 ンマイ棒持つ国雄……CM撮れるぞ。この、おちゃめさんめ……。 「ポタージュ味は持った?」 「サラダだろ。」 「えー。」 不満だ。 ンマイ棒はポタージュだろう。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |