《MUMEI》

………
何事もなく、
普通に…

麻美…昔と同じ場所で、飯食ってる… 

おふくろも、親父も、

何の驚きもない…

俺も、麻美も、拍子抜けだった…

親父「しっかし、麻美ちゃん、綺麗になったねぇ…」
麻美にお酌されながら、ご機嫌な、バカ親父

親父…少し老けたかなぁ… 
お袋、相変わらず、テレビの話題で、麻美と…

お袋…痩せたかなぁ…

親父「そう言えば、麻美ちゃんのお母さんから、手紙来てたんだよ」

お袋「そうそう、改めて挨拶に来るってね」

親父「お母さん、元気かい?」

麻美「はい、元気です、」「最近、電話でしか、話してないですけど」

お袋「苦労なさったようだから、心配してたのよ」

麻美「…」

俺「もう、話し攻めじゃない、麻美だって、疲れてんだから…」

お袋「エリさん?だっけ、ウエディングドレス?」
「綺麗だった?」
「何でこっちで結婚式を?」
人の話し、聞いてねーな…おふくろ…

親父「優斗と酒飲む日がくるとはなぁ…」

……ダメだ…この人達(両親)…

完全にマイペースだ…

親父「麻美ちゃんも、東京だっけ?」

おふくろ「だから、優斗と友人の結婚式に来たんでしょ、お父さん、しっかりして下さいよ」

親父「そうか、優斗の知り合いが新郎で、…ん…」
「優斗はどっちとも、知り合いかぁ」

バカ笑いしてる親父…

疲れる…

麻美、きょとんとしてる

麻美「ねぇ、優斗、もしかして…」

俺「…俺も、そう思った…ごめん、麻美…
俺…説明、悪かったかも…」

親父「何ごちゃごちゃ言ってんだ、優斗、飲め、ほら…」

俺「……」

親父「麻美ちゃん、注いでくれるかなぁ」

麻美「あっ、はい」

お袋「麻美ちゃん、相手しなくていいからね、」
「眠くなったら、優斗の部屋で休んでね、
布団引いてあるからね」

麻美「すみません」

お袋「いいのよぉ、娘みたいなものなんだから、
気をつかわないでね」

麻美「はい……」

麻美が困り顔で俺を見た

俺「お袋、俺ね布団は?」
お袋「あんたは、ここに引いて寝なさい」

俺「……」

…やっぱり… 

俺「俺の部屋でいいよ」

お袋「バカ言ってんじゃないよ!」
「あんた、麻美ちゃんを、ここで寝かす気かい!」

俺「一緒の部屋でいいって」

親父「バーカ、いくら仲良くたってなぁ、お前、常識ってもんがあんだよぉ」

酔っ払い親父の説教が始まった

適当に、受け流し

俺「一緒に、暮らしてんだ、俺達」

親父「なにが一緒にくら………………………」
「…何ぃ!!!」

反応、遅くない?…

お袋「?????」

お袋…フリーズしてる…

俺「だから、一緒でいいよ」

お袋「ま、ま、ま、麻美ちゃん…本当かい?」

麻美「はい」

親父「…な、な、何で早く言わないんだ、バカ!」

俺「言ったろよぉ」

お袋「それで、ご挨拶って、お父さん、大変よ、で、電話しなくちゃ…」

親父「そ、そうだな」

俺「何慌ててんの、みっともない!」

麻美「……」

お袋「!優斗、あんたまさか……子供出来たとかって……」

麻美「大丈夫です、そんな事ないですからぁ」

お袋「よかったぁ、そんな事になったら、申し訳なくて、」

親父「順番ってものがあるんだぞ、優斗」

俺「何、舞い上がってんの!」
「俺と麻美の問題だろ、
しっかり話し聞きなよ!」
「俺、彼女連れて帰るって言ったよね!」
「麻美、連れて帰るって!」

親父「…冗談かと…思った…」

俺「…………」

麻美「…ぷっ、ふ、ふふっ」
麻美が笑い出した

お袋「ホントなんだね」

俺「嘘言ってどうすんの…全部本当だよ!」

お袋「麻美ちゃん、本当に、この子でいいのかい?」
麻美「はい、…私には、勿体ないぐらいです…」

お袋「優しいだけの、取柄のない子だよ」

麻美「そんな事ないです…」
「芯がしっかりしてて、強くて、でも、優しくて」

お袋「…ありがとう、麻美ちゃん、…ありがとう…」
お袋、麻美の手を取って、泣き出した…

親父「………うん、うん…」
親父…何で泣いてる…
もらい泣きか?…

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