《MUMEI》 壱僕の記憶は少ない。 物心付いたときには既に身寄りは無く、お爺さんと僕は戦火の激しい危険地帯に地下シェルターでひっそりと生活していた。 僕には名前しか記憶に無い。 僕は『ミシュ』、 夢の中で優しく名前を何度も呼ばれた。心地良くて、このまま目覚めたくないと思ったことは何度も有る。 新しい記憶は沢山生まれた。お爺さんには沢山教わった。文字の読み書き、計算に料理……。 そして、死。 人の頭は簡単に潰れてしまうということを知った。そして血は、生臭い。 前へ |次へ |
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