《MUMEI》 「何をそんなにも驚いている‥?」 「ぃ、いや、だってお前、今──」 「案ずるな。妹が居る」 「妹‥!? お前三人兄妹だったのか!?」 「‥あまり大声を出すな馬鹿者」 「! ‥わりい‥」 「菫と言ってな、彼女の方が姫には相応しいだろう」 「菫‥?」 草助はきょとんとした。 「お前の家って、花の名前ばっかなんだな」 「ぁぁ」 「菖蒲‥雛菊‥菫──‥」 「どうかしたか」 「いや、いいもんだなぁって」 「そう‥か‥?」 「ぁ‥そういやお前、いつの間にか拙者とか言わなくなったなぁ」 前へ |次へ |
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