《MUMEI》
「ハアハア、あ、ありえねえ…」
「じゅんちゃんカワイイなあ、もう最高!最高ですかあ?」
今度は惇の隣に寝そべって二人まとめて写メをパシャパシャ。
録られた画像の中には満面の笑顔の俺と憂鬱そうな惇。
「最高だ…、テメーのやることなすことこれ以上呆れ様もなく最高に最低だ…」
諦めた様子で撮影に協力?した惇。
「アハハッ!これとこれプリントしようぜ!」
「勝手にしてくれ…つか俺の分はいらねーからな…」
撮った画像を一緒に一通り確認して。
「よし!隆志来たらまずいし俺は帰るか!!」
俺は勢いよくベッドから起き上がり素早くガードルの上に衣類を身につけた。
「ガードル脱がねーの?」
「フフッ、秀幸脅かしたいからこのまま」
「…あ〜そう」
バッグを掴んで肩に引っ掛ける。
「じゃな!また連絡すっから!」
「ああ…、っておい!!解け!!テメエッッッッッ!!」
ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン!!
「アハハッ!隆志どんな反応したか後で聞かせてなっ!じゃ〜ねえ惇ちゃん」
「バカヤロ〜〜〜ッッッッッ!!!」
▽
玄関から出て外に出ても惇の声がして
「あれ?裕斗来てたんだ」
「あ、隆志、お疲れ」
GODIVAのロゴが入った紙袋を持った隆志が目の前に現れた。
「今日は随分カッコイイな」
「あ?ああ、この衣装気にいって買い取りしたんだ」
えらく決まっている隆志。髪型もヘアメイクさんじゃなきゃとても出来ない凝ったもので。
…今の惇と大違いだ…。
「裕斗時間あるならケーキ食ってけよ、限定のチョコケーキ買ってきたんだ」
「あ?ああ、いい、いい、急いでっから……ヒヒッ…フフフッ…」
「裕斗?」
隆志はちょっと心配そうに俺を見ている。
「じゃ!おやすみ先生!!」
「せ?先生?…お、おやすみ、きいつけてな」
俺は笑いを堪えながら隆志の元を、惇の元を去った。
「ヒイ〜!アハハハハハッッッ!!」
END
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