《MUMEI》

「ハアハア、あ、ありえねえ…」



「じゅんちゃんカワイイなあ、もう最高!最高ですかあ?」




今度は惇の隣に寝そべって二人まとめて写メをパシャパシャ。




録られた画像の中には満面の笑顔の俺と憂鬱そうな惇。






「最高だ…、テメーのやることなすことこれ以上呆れ様もなく最高に最低だ…」





諦めた様子で撮影に協力?した惇。









「アハハッ!これとこれプリントしようぜ!」




「勝手にしてくれ…つか俺の分はいらねーからな…」





撮った画像を一緒に一通り確認して。







「よし!隆志来たらまずいし俺は帰るか!!」




俺は勢いよくベッドから起き上がり素早くガードルの上に衣類を身につけた。




「ガードル脱がねーの?」



「フフッ、秀幸脅かしたいからこのまま」



「…あ〜そう」




バッグを掴んで肩に引っ掛ける。




「じゃな!また連絡すっから!」




「ああ…、っておい!!解け!!テメエッッッッッ!!」




ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン!!



「アハハッ!隆志どんな反応したか後で聞かせてなっ!じゃ〜ねえ惇ちゃん」





「バカヤロ〜〜〜ッッッッッ!!!」












玄関から出て外に出ても惇の声がして





「あれ?裕斗来てたんだ」




「あ、隆志、お疲れ」




GODIVAのロゴが入った紙袋を持った隆志が目の前に現れた。




「今日は随分カッコイイな」



「あ?ああ、この衣装気にいって買い取りしたんだ」



えらく決まっている隆志。髪型もヘアメイクさんじゃなきゃとても出来ない凝ったもので。






…今の惇と大違いだ…。





「裕斗時間あるならケーキ食ってけよ、限定のチョコケーキ買ってきたんだ」



「あ?ああ、いい、いい、急いでっから……ヒヒッ…フフフッ…」



「裕斗?」




隆志はちょっと心配そうに俺を見ている。

「じゃ!おやすみ先生!!」


「せ?先生?…お、おやすみ、きいつけてな」





俺は笑いを堪えながら隆志の元を、惇の元を去った。






「ヒイ〜!アハハハハハッッッ!!」













END

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