《MUMEI》

巨神を探すため、あらゆる地に兵士が送り込まれた。巨神を制す国こそが国家を支配できる、それほどの破壊力があるからだ。

その被害を一身に民衆は受け、巨神発掘のために出た犠牲者は数百万人とも言われている。



巨神、
それは国が国では無い時代から伝えられている神となりうる種族だけが得た力……。その種族は人の形をし人の言葉を話し人と同じように生きた。違う点は高度な叡知と文化そして、羽が生えていたことだ。羽があることを讃え、人々は天に最も近い存在、『天使』と神聖視さえした。
彼等は進歩しすぎるあまりに人間は畏怖した。彼等は遥かに抵抗力も数も人間より劣る。しかし、その智恵と能力さえあれば簡単に世界は掌握されてしまう。彼等の名は『天使』から『翼族』に堕とされた。
『翼族』は狩られる対象となり、殺され、喰わた。
彼等は最期の力を振り絞り、巨神を動かす。

古代壁画に描かれている伝説の殺人兵器だ。

『翼族』でも限られたもののみが起動させることが出来るという兵器、それは人間と闘うことで力尽き人間の進化と共に退化し埋もれたかと思われた。

滅びた生態の名残を刻まれた人間……
背中にはかつて天を自由に飛び回った象徴、羽の痕が肩甲骨に刻まれている。
生れつきそれは赤黒く翼族とを判別する基準になっている。

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