《MUMEI》

「だけど‥?」

「彼女と同じ位、守りたい人が隣りにいるから」

「‥‥‥‥‥私‥の事か‥?」

「おうよっ」

「‥だがお前は‥思い人が居るのでは無かったのか」

「ぇ?」

「言って居たでは無いか、私が訊いた時に──」

「ぁぁ、言ったなぁ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「どうした?」

「私よりも、その思い人を守るべきなのでは無いのか」

「ぇ、隣りにいるだろ」

「‥!? 何処にだ!?」

 慌ててきょろきょろと見回す雛菊。

 その様子を見て、堪らず草助は笑い出す。

「なっ‥何を笑っておるのだっ」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫