《MUMEI》

僅かに溶け残った顆粒が完全に無くなるまで、少女はマドラーの先で水を回し続けた…。



次に少女は、何処からかライターを取り出すと、幾度となく使い古したポンプ(注射器)の針を炎で2〜3度焙った。



殺菌作業を終えると、針先をスプーンに近づけ、白い粉が溶かれた水を吸いとってゆく…。



針を天井に向け、ポンプを軽く押して中に入り込んだ気泡を追い出すと、少女は左手の親指をきつく握った。



真っ白な内肱に浮かび上がる青筋――…



紫色した斑点が点在するその其所に、少女は慣れた手つきで針を挿入した…。

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