《MUMEI》

「ここは何処なの?」

辺りを見回す
何もない…『無』だ
そう『無』

「なんで?」

「自分が死んだからや」

は?
私が声の方に振り返ると
上から下まで黒のロングコート
真っ赤な髪に赤い目
人間離れした綺麗な顔だち
しかしそれにそぐわない
左目の眼帯

「誰?」

「俺が誰か…答える価値あるんかいなぁ」

「いやいや、価値があるなしの問題じゃなくて誰か聞いてるだけなんだけど。それに私が死んだって?ありえない」

「なんて事はありえない」

「あーいらつく!とにかくこの状況を説明してよ!」

「だからさっき話したやん。自分は死んだんやて、まぁ正確に言うと殺されたんやけどな」

殺された?私が?

「なんで?殺さる理由ないんだけど…え?じゃあ何?ここは天国とか?」

私が聞くと赤髪の男は盛大に笑った

「アハハハハ!いやわりぃわりぃ!あんまりおもろい事言うもんやから腹がよじれるとこやったわー。まぁ天国っちゅーのは半分当たりで半分外れや」

意味が分からない

「簡単に言うとなぁここは死んだ奴が天国行く前に一度は立ち寄る場所や、まぁ自分等人間が言っとる三途の川渡る手前やな」

『三途の川』いやいや川すらないんだけど

「貴方は何者?」

私は一番の疑問をぶつけた

「俺は死神や」

この時私は
私の頭は真っ白になった

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