《MUMEI》

「あのお店は何かな──」

「あれは‥」

帽子屋のようです──。

「覗いてみてもいい?」

「はい」

帽子屋に入ると──

アンリ様は1つを手に取られました。

白い鍔広の帽子で、青いリボンが付いています。

「──ちょっと大きいかなぁ‥」

「被ってみますか?」

「うん」

「──失礼致します」

頭に被せて差し上げると、

「やっぱり──ちょっと大きいみたい」

残念そうに仰いました。

「御気に召されたのであれば──宜しいかと」

「?」

「少し大きい方が、長く使えますしね」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫