《MUMEI》 「あのお店は何かな──」 「あれは‥」 帽子屋のようです──。 「覗いてみてもいい?」 「はい」 帽子屋に入ると── アンリ様は1つを手に取られました。 白い鍔広の帽子で、青いリボンが付いています。 「──ちょっと大きいかなぁ‥」 「被ってみますか?」 「うん」 「──失礼致します」 頭に被せて差し上げると、 「やっぱり──ちょっと大きいみたい」 残念そうに仰いました。 「御気に召されたのであれば──宜しいかと」 「?」 「少し大きい方が、長く使えますしね」 前へ |次へ |
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