《MUMEI》

「うん──、じゃあそうしようかな」

買物を済ませ、店を出て、再び歩き出しました。

傍らのアンリ様の頭には、白い帽子が乗っています。

とても良く御似合いです。

「風で飛ばないかな──」

「?」

「風が吹いたら飛んじゃいそうだよね」

「御心配無く。その時は僕が──」

「うん、分かった。‥ぁ」

「何か──召し上がられますか」

「リュートもお腹空いた?」

「はい、──少し」

「何がいいかな──」

「アンリ様は──何が宜しいですか」

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