《MUMEI》

守池駅は、無人駅だ。


私達は、誰もいないホームに降り立った。



「静かだなー」



椎名くんが呟く。



田んぼや畑が広がるこの守池町は、
パパの生まれ育った小さな町だ。



「…あの池、探してみよう」


「おう」



私は、記憶を頼りに、おばあちゃんが連れて行ってくれた
『かみさまのいけ』
のある方向へと歩き出した。

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