《MUMEI》 「ここ―…」 蓬田が、頷く。 「夢と、同じ場所だよね」 「…時間は―…!?」 おれは、携帯を取り出して時間を確認する。 デジタルの表示は、22:57を知らせていた。 11時まで、…あと、3分。 虫の音が優しく響く。 さわさわと木々が揺れる。 満月の淡い光が、おれ達が立つこの場所を静かに照らしていた。 前へ |次へ |
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