《MUMEI》

【天使は、人間と恋に落ちてはいけません。
でも、僕達はその掟を破ってしまった。
―…僕はもちろん、彼女までも命を奪われてしまう。
…彼女だけは、助けたかった…!!】



つばさちゃんも、シラユキくんに恋をした。



―…でもそれは、許されない、恋だった。



【僕は天界に強制的に帰され、罰を受けました。
―…でも、初めての仕事だったので、
瞳の力を奪われ、1ヶ月の謹慎処分だけで済んだんです。
彼女は、許されました。
だけど、…どうしても彼女のそばに、いたかったんです】



だから、と、シラユキくんは強く言った。



【だから、僕は最期まで彼女のそばにいると決めた。
―…僕は変身術が得意で、変身している間は、
天界の者には気付かれない自信がありました。
…それで、猫に姿を変えました】




…だけど、猫に姿を変えても、瞳にかけられた力は消えなかった。


だから、地上に逃げてすぐ、
天の属性の力を察知した天界の王に見つかってしまった。



視力を奪われたまま逃げ惑っていたシラユキくんは、

―…線路に、出てしまった。



【何が起きているのかも判らなくて。
―…天界の力が近づくのに気付いたとき―…】



シラユキくんは、そう言って私を見つめた。



【あなたに、抱き上げられたんです】

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