《MUMEI》

「──こっちだよ」

「はい」

長い階段を上り、時計台の最上階へ。

「───────」

「わぁっ、ほら、町が全部見えるよっ」

「展望台と似ていますね」

「うん、でも私はこっちの方が好きかな──」

「?」

「だって、リュートが一緒だから」

「ぇ‥」

頬が熱いです‥。

「あっ、こっちからは丘が見えるよっ」

「冬の日に──夕陽を見ましたよね」

「うん、綺麗だったよね」

「綺麗でしたね──」

「今日も、夕陽見れるかな」

「はい、──きっと」

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