《MUMEI》

景色を眺めて居る内──次第に陽が傾いてきました。

空が、暖かな色に染まっていきます。

「わぁ──‥」

硝子にぴったりとくっつくようにして、空を見つめるアンリ様。

「綺麗だね──」

「そうですね」

「──明日は‥何しようか」

「また庭園など散策なされますか」

「うん、リュートも一緒にね」

「はい、勿論です」

「──そろそろ、帰ろうか」

「そうですね、暗くなってきたようですし」

「ぁっ」

「?」

「お星様出てるよ、ほらっ」

「一番星ですね──」

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