《MUMEI》

「えっと、こ‥‥こちらこそ‥?」

「何故疑問形になるのだ」

「いや、何か言うべきだって言ったからさ」

「ふふっ、──やはりお前は本邦なままが良いな」

「ぇ‥?」

 きょとんとする草助。

 雛菊はにっこりと微笑む。

「お前は野草のような男だな」

「ぇ?」

「本邦に育った野草のようだな、と」

「野草かぁ──」

「ぁ、いや‥別に悪い意味では‥、?」

 雛菊の頭に手が置かれた。

 若人の、温かな手が。

「──ありがとな」

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