《MUMEI》

『ああ、奴なら今日は急用とかで休みですよ。』


…ははっ、休み?タイミング悪りぃなあ!


『急ぎなら、携帯で呼び出しますよ!』


『あ〜いや、いーや、また出直すから…』


俺は項垂れて、スゴスゴと編集室を後にした。


『橋元先生!』
後ろから編集長が、追いかけて来た。


『??』
編集長は、俺の手にメモ用紙を握らせた。


『奴のアパート!』
そう言って去って行った。


『あ…ありがとう。』編集長は、背を向けたまま、手を振った。


俺は、宇佐美のアパートへ向かった。

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