《MUMEI》
再会 〈私〉
『―…掟が、くだらないとは…よく言ったものだ。
…では、蓬田要、椎名みつる。
互いに向き合い、池の淵に立て』



声が、私達に指示をする。



【向かい合って、池の両端に立ってください。
―…しっかり、目をあわせてくださいね】



私達は、言われたとおりにした。



『…では、これより蓬田要、椎名みつる両者の魂を元に帰そう』



その言葉に従うように、月の光が強くなっていく。



向かい側に立つ『私』―…椎名くんが、じっと私の目を見つめる。



こんな時でも、ドキドキして胸が苦しい。



―…だけど、目は逸らさなかった。





…逸らせなかった。





白い光が、私達2人を包み込む。



光は、一瞬だけ大きくはじけると、





すうっと、消えた。

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