《MUMEI》
昇が教室を出て行った後、奈々と春と話していた秋穂が自分の席に戻って来た。
「あれ?昇君は?」
「昇なら、飲み物買いに行ったよ」
昇は飲み物を買いに"行った"のではなく"行かされた"のだが、周哉は気にしない。
「そっか、じゃあ先にご飯食べてよ」
そう言って、秋穂は自分の席に座って昼食を食べ始めた。
すると、
「あーお腹すいた」
「ご飯だよ〜」
奈々と春がやって来た。
「周哉、秋穂ちゃん。一緒にご飯食べよ」
「もうお腹ペコペコだよ〜」
そう言いながら、奈々と春も席に座った。
「昇は?どこ行ったの?」
「飲み物買いに行った」
「ふーん」
そのまま四人が話していると、しばらくして、昇が帰ってきた。
「おら、買ってきたぞ」
「うん、ご苦労さま」
「は〜あ」
「あれ?昇、自分のは?」
「あ?」
「だから、昇の分の飲み物は?」
「金がねぇ、さっき言ったじゃねぇかよ!聞いてなかったのかよ!」
「あー・・・」
(そんな事も言ってたような、言ってなかったような・・・)
そんな会話をしながら、昼休みは過ぎていく。
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