《MUMEI》

「──おはよう、リュート」

「御早うございます──、?」

僕は‥何故アンリ様に覗き込まれて‥。

「ふふっ、今日は私の方が早かったね」

「! 済みません、寝過ごして‥」

「ほら、一緒に朝食食べよう」

「ぇ‥?」

「今日は私が作ったの。来てみて」

「はい、只今──」

広間を訪れると、テーブルには沢山の御料理が。

「アンリ様、これを‥全て御1人で‥?」

「うん、ちょっと失敗しちゃったりしたけど──」

「有り難うございます」

「?」

「嬉しいです、とても」

「ふふっ、良かった」

にっこりとされたアンリ様の笑顔は、日溜のようで──、心がほんわかと暖かくなりました。

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