《MUMEI》

光ママ、高遠睦美さんは電話のイメージよりも遥かに儚げな御婦人だった。


細面で目許は下がり気味なので光より若干柔和な印象だ。
面影がある顔立ちで、やはり親子である。

お茶を出すとき、袖から覗く手首は折れそうで、窶れているようにも見えた。


「それで……?何かこの子が粗相を?」

彼女はティーカップに口を付けて首を僅かに傾ける。


「いえ、ただ、光君とお付き合いさせて戴いております事をお伝えしようと。申し遅れました、小暮国雄です。」

名刺を渡す。

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