《MUMEI》

2階の小部屋──その傍らにひっそりと佇む扉から続く階段を上りながら、アンリ様は楽しそうです。

「こんな所に階段があったんだ──」

「僕も最近気付いたんです」

「そうなんだ──」

「はい。‥今、扉を開けますね」

扉を開くと、薄暗い部屋が。

「明かりを付けましょうか──」

「ううん」

アンリ様は窓辺に近付き、ガラスに触れられました。

「早く止むといいですね──」

「うん。そうだ──、虹見れるかな」

「虹──‥」

「見れるといいよね」

「はい、そうですね」

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