《MUMEI》

「ほれ、さっさと座らんか」

ストン
私は置いてあるソファーに腰をおろした
ソファーはやわらかくとても
座り心地がいい

「あーそういえばまだ俺の名前言っとらんかったな、俺の名前は闇神(やみがみ)そのまんま夜や闇の神さんちゅー意味や」

うわー…ださ

「今自分ださいとか思ったやろ」

ビクッ

「まぁええわ、俺の事は好きに呼びー闇さんとかでもええしな」

「じゃあ…闇神」

ズコ!
死神は盛大にズッコケて頭に
たんこぶを作っていた

「お、お前闇さんでええ言うてるやろ!なんで人の気持ち踏みいじるんや!これでも神さんやぞ!?凄いんやぞ!?」

「いいじゃん、なんて呼んでも」

私は明後日の方を向いて顔を
そらした

「はぁー自分の相手本間疲れるわ」

「私もな」

「なんでそんな偉そうやねん!…取りあえず名前決めるで」

「名前?」

「せや!自分の名前」

「あのさぁー私には紅 華って名前があるんだけど」

「しっとるわ、だから生きとった頃と同じ名前はあかんやろ」

「あっなるほど」

「で、俺が考えた名前は朱椿(アカツバキ)・血桜(チザクラ)・闇子(ヤミコ)・紅(クレナイ)・紅桜(ベニザクラ)他には」

「ちょっと待ってーーー!何よその名前!突っ込み所満載だし!第一なんで血なまぐさい名前ばっかなの!?」

「俺の好きな色は血色や」

「知るかぁぁぁ!もういい!私が決めるからね!」

「別にええけどなんかええ名前あるんか?」

そう言われればと
私は首をかしげた
名前…どうしよう

「…向日葵(ヒマワリ)」

「は?」

「向日葵!私の名前!あんたが闇なら私は闇を照らす太陽って意味で、太陽の花『向日葵』!」

「向日葵…向日葵か、なるほど」

うんうんとうなずいた闇神

「駄目?」

「いやいやなかなかおもろいで、よっしゃ!これからよろしゅうな向日葵!」

ニコっと笑い私に手を差し出す

「こちらこそ…闇神」

私はその手を握り返した
その手はとても冷たかったが
人間の手とほとんど変らなかった

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