《MUMEI》 空一杯に掛かっていた虹は、次第に薄れ‥淡い青に溶けてしまいました。 「消えちゃったね──」 「また──見れる時がきますよ」 「──うん。‥ぁ、そうだ」 「?」 「スケッチブック持って来るねっ」 「アンリ様‥?」 何か御描きになるのでしょうか──。 少しして御戻りになられたアンリ様。 何かを書き始められました。 「それは──‥」 もしや、虹‥? どうやらアンリ様は、先程御覧になった虹を描かれてらっしゃるようです──。 前へ |次へ |
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