《MUMEI》

星羅の手当ては終わりかけていた。


星羅は無意識うちに手を動かし、女の子を抱きしめていた。


この子は
私が守る…


凍ってしまった心を
私が溶かしてあげる…


「どうしたんですか?」


「私の名前は挿乙女星羅って言うの、あんたは?」


「私は棘坂雹里って言います」


星羅は雹里から手を放した。

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