《MUMEI》

「これがいいかな──」

アンリ様が御選びになったのは、白い額。

「では、この額に御入れしますね」

サイズはぴったり。

見栄えもなかなかです。

絵を入れた額を手に、御部屋へ。

「何処に飾りましょうか──」

「窓の隣りに飾ってくれる?」

「此処で──宜しいですか」

「うん」

「畏まりました」

御指定頂いた場所に、白い額を飾りました。

まるで、もうひとつ窓が出来たようです──。

「これで──宜しいですか」

「うん、ありがとう」

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