《MUMEI》

無事? 会食も終わり
東京へ戻る車の中…

麻美「優斗…話が大げさになっちゃったけど…」
「いいの?…」

俺「うん、俺はね」
「麻美、戸惑ってる?」

麻美「…ちょっとね」

俺「…そっかぁ…」

麻美「嬉しいんだけど…」
俺「まだ先だよ…」
「仕事だって、まだまだ、だし、お金も貯めたいし」
麻美「うん…そうだね」
「…」
「優斗はホントに、私でいいの?」

俺「うん、麻美は、考えちゃう?…俺とじゃ」

麻美「ねぇ、優斗…わがまま聞いてくれる?」

俺「うん、何?」

麻美「…車、停めて…」

俺「うん…」
 
 
俺は、高速道路のパーキングに車を停めた

俺「コーヒー買ってくるね」

トイレと自販機しか無い、寂れたパーキング

麻美、何を言いだすのかな…
彼氏としては、OKだけど、結婚は別とか、言ったりして…

んー、…マイナス思考だなぁ…俺…
 
俺「はい、コーヒー」

麻美「ありがと」

車に戻って、麻美にコーヒーを渡した

俺「…」

麻美「…」

俺「わがままって、何?」
麻美「…うん…あのね、」「明日から、炊事するから、我慢して食べてね」

俺「うん」

麻美「…しばらくは…不味いよ…」

俺「うん」

麻美「優斗も、お風呂掃除とか、手伝ってね」

俺「うん」

麻美「……」

俺「…麻美…ちゃんと、話そう」
「そんな事じゃないよね」
麻美「…へへ…優斗には、わかっちゃうよね…」

俺「何?、麻美の抱えてる事って…」

麻美「…う、ん…」

俺「…」

麻美「優斗…」
麻美が下を向いたまま、話し出した

麻美「…犯された、女と一緒になれるの?…」

俺「うん」

麻美「…軽く、答えないでよ…」

俺「軽くないよ」

麻美「優斗の周りに居る人達が知ってるんだよ…」
「…優斗、影で、何か言われてるかもしれないよ…」
俺「いいじゃん、何言われてたって」

麻美「会社で噂になったら?…」

俺「ならないよ」

麻美「もし、なったら!」
麻美が強い口調だった 

俺「なったらなったで、ほっとけば」

麻美「……」

俺「麻美は、何を恐れてるの?」
「また、俺の足を引っ張るとか、下らない事か?」

麻美「くだらなくないでしょ、出世にだって、響くかもしれないんだよ」

俺「くだらないよ」

麻美「真剣に考えてる?!」
俺「もちろん、真剣だよ」
麻美「感情論じゃないの、」
俺「感情的になってるのは麻美だよ」

麻美「…」

俺「いいか、麻美、」
「もし、仮に、麻美がなんらかのハンディになったとして、」
「俺が、それを、克服すれば、何の問題もないだろ」
麻美「簡単に…」

俺「まだ、俺が話してる、麻美、黙って!」

麻美「……」

俺「会社は問題ないよ、技術系だから、営業とかじゃないしね」

「現に、風俗してた女の人と結婚してる先輩もいるし」
「奥さんが、外人の人も居る」

「俺が仕事出来れば問題ないの!」

麻美「…」

俺「周りの仲間が知ってたって、何か困る事あるか?」

麻美「…」

俺「俺は困らないよ…麻美が嫌なのはわかるけど…」
麻美「…私は…いいよ…」「馬鹿にされたって、陰口言われたって」
「優斗が……」

俺「…麻美、」

麻美、うつむいたまま
黙っちゃった…

……

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