《MUMEI》
夢
また、夢を見た……。
見ず知らずの男に自分から求め、積極的に抱かれる
そんな、酷い夢…。
言葉もなくただひたすらに腰を揺らし
縋り付き、唇を奪い合う。
その内容は年を重ねる事に深みを増し、精神的に負担が強くなる。
俺は立ち上がり、キッチンへと向かった。
時々だけ服用している薬を口に含みコップ一杯の水で流し込んだ。
「…はあ」
グラスを洗い、窓から夜を覗く。
月の傾きからして今は真夜中の2時頃といったところだろう。
結局バイト先に電話を入れて無理矢理バイトしてきた俺。
酷く疲れて帰ってきた筈なのに幾らも眠れていない。
それは何時も夢のせい。
特に今日の夢は酷く生々しかった。
本当に抱かれたみたいに全身が軋んでいる。
脚の間接が甘く、重い。
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