《MUMEI》
移動先
俺達がどうしても二人きりだと心配だと譲らない志貴。


しかし、バイトの時間は迫っていた。


その時


ぐ〜





「「誰?」」

「…ごめん、俺」


非常に控え目だったが、俺の胃が珍しく空腹を訴えた。


「…じゃあ、こうしましょう」


一人、決断した志貴は、俺と頼をある場所に連れていった。


数分後。


「じゃあ、私はバイトに行くから」


そう言って志貴は


テイクアウトの品々を受け取り


店を出て


横断歩道を渡り


俺と頼の視線の先にある


志貴のバイト先


龍平さんのショップに入っていった。


俺達が志貴に勧められて入ったカフェは、龍平さんのショップの向かい側にあり

「何となく、監視されてる気分だな」


頼がそう言うように、俺達が座っている窓際の席は、ショップの中からでも確認できそうな位置にあった。

[会話の内容まではわからないだろ]

[何で祐也英語になってんの?]


志貴おすすめのランチとドリンクがテーブルに並んだ途端英語になった俺を、頼は不思議そうに見つめた。

[…エイミーの事で確認したい事があるから]


…頼の表情が変わった。

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