《MUMEI》
確認
…カチャン


店内は流行りの音楽や、俺達と同じような夏休み中の学生の話し声がしていたが

俺は、頼の言動にだけ集中していた。


フー…


カップを、置き、ため息をつく、頼。


(やっぱり年下に見えないな)


その仕草はやけに大人っぽかった。


[…大志さんに何か訊いた?]

[いや]


あれから


相変わらずどうでもいい厳と頼の日頃の情報メールは毎日来ていた。


…が。


[果穂さんも大志さんも、何も教えてくれなかった]

[厳は?]


頼の目が鋭くなった。


[何も教えてくれなかった]

[じゃあ、俺も教えなーい]


頼はニッコリ微笑んだ。


(まぁ、予想通りの反応だな)


しかし、俺の目的は質問ではなく


確認だった。


旅行の帰りに、俺が忍から聞いたエイミーと


頼の言う、エイミーが


同一人物か、どうか。


その、確認。


[話が無いなら、もう俺行くよ?

あ、祐也とアパートでラブラブでもいいけど]


カタンッ


立ち上がる頼に向かって、俺は口を開いた。


[エイミーって、



エイミー・スコット?

アルフレッド・スコットの子供の?]

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