《MUMEI》 確認…カチャン 店内は流行りの音楽や、俺達と同じような夏休み中の学生の話し声がしていたが 俺は、頼の言動にだけ集中していた。 フー… カップを、置き、ため息をつく、頼。 (やっぱり年下に見えないな) その仕草はやけに大人っぽかった。 […大志さんに何か訊いた?] [いや] あれから 相変わらずどうでもいい厳と頼の日頃の情報メールは毎日来ていた。 …が。 [果穂さんも大志さんも、何も教えてくれなかった] [厳は?] 頼の目が鋭くなった。 [何も教えてくれなかった] [じゃあ、俺も教えなーい] 頼はニッコリ微笑んだ。 (まぁ、予想通りの反応だな) しかし、俺の目的は質問ではなく 確認だった。 旅行の帰りに、俺が忍から聞いたエイミーと 頼の言う、エイミーが 同一人物か、どうか。 その、確認。 [話が無いなら、もう俺行くよ? あ、祐也とアパートでラブラブでもいいけど] カタンッ 立ち上がる頼に向かって、俺は口を開いた。 [エイミーって、 … エイミー・スコット? アルフレッド・スコットの子供の?] 前へ |次へ |
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