《MUMEI》

「じゅんッッッ!!」

「た、たかしッッッッ!!!」



ベッドに繋がれている惇!
駆け寄り急いで腕を外す。




「大丈夫か?怪我は?痛くないか?何があった?どうして!!」




「…ヒッグ…ぅう〜……、後ろ向けよ〜ッッッ……やだ…やだ……」


「惇?」



「い〜から後ろ向けってば!!どこも怪我してねーからっ!早く!早くっ!は〜や〜くッッッ!!」



「………はい」





俺は惇に背を向けた。







「ぅう…」




俺の横を素通りしキッチンに向かう惇。

燃えるゴミ用の蓋を開けて力任せに何かを叩き捨てた。



「惇?」



「…………」




キッチンに掴まりながら細い体を震わせている。




「裕斗の仕業なのか?」



「……あの馬鹿しかいねーだろ、こんな事させんのは…」






「…なんかされたのか?」





惇は黙ったまま頭を左右に振る。

「そっか、ならイイけど…、な?パンツ一枚じゃ風邪ひくぞ?さっき着ていたの着といた方が良くないか?………え?」



惇はゴミ箱から拾いあげ鬼の形相で俺の正面に来て、それを両手で大きく広げた。




「隆志が着ろよ!」



「…………」


「…………」



「…………」




「…なに、それ……」

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