《MUMEI》
頼とエイミー
[やけにあっさり答えたな]

[んー? だって祐也と忍はラブラブだろー?]


(呼び捨てとは、命知らずだな)


[…それが、何?]


俺は否定も肯定もしなかった。


[愛しの祐也にお願いされたら、エイミーの事や俺の事、調べそうじゃん]

[ハハハ…]


(無い無い!)


忍は優秀だから、簡単に調べられそうだが、俺の為に動くとは思えなかった。


[だから、そうなる前に、祐也には話しておく。

…カッコ悪いから、誰にも言うなよ?]

[わかった]

[…ん]


そして、ゆっくりと頼は語った。


近所に住んでいた青い瞳の一つ年下の女の子・エイミー


好きだから、いじめてしまった


一度も好きだと言えないまま毎日が過ぎて、エイミーの父親が亡くなり、突然エイミーの家の引越しが決まった


転校する時、エイミーが頼を嫌いじゃないと言ってくれて嬉しくて


諦めきれなくて、小遣いをためて


エイミーの誕生日にプレゼントを持って引越し先に行った


そこで


何故か、エイミーに避けられた


逃げられて


追いかけて


エイミーが転んで、怪我をした


軽傷だったが、エイミーの家族に怒られて、二度と会うなと怒鳴られた

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