《MUMEI》
違和感・同情
[以上、終わり!]

[何か…]


明るく言い切る頼に対し


[おかしくないか?]


俺は、違和感を感じていた。


[俺だってそーだったよ]


頼の言葉は投げやりだった。


(だよなー)


俺の頭は疑問だらけだ。


(何故会いにきた頼を、エイミーは避けたんだ?)


(転ぶほど…家族が怒るほど怪我するほど逃げるなんて…)


[そんなに俺が嫌いなら、引っ越す直前に嫌いじゃなかったなんて言うなよって感じだよな〜]

[だよな]


こんなに中途半端な状態なら


(そりゃ、未練も残るか…)


俺は、頼に同情した。


[だからさ。俺、あんまり恋とか好きとか嫌いとか、重いの嫌なんだ、もう]

[そうか…]

[だから、可愛くて、優しい子が好き]

[そうか]

[だから、祐也が好き]

[そ… はぁ!?]


[好き]

[ちょ、…離せ]


抱きついてくる頼を


[ほら、優しいから、殴らない]

[…今だけだ。明日から殴るぞ]


今日だけは何となく、突き放せなかった。


(でもなあ)


俺の気持ちは同情で、恋ではなかった。


(それに…)


何となく頼はまだエイミーに未練がある気がした。

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