《MUMEI》

[蒼視点]


俺は、少女漫画は読まない


見ようとも思わない


でも、何となく…


キラキラ





こいつの、櫻の目の輝きは少女漫画みたいだなと、思った


…って


現実逃避してる場合か俺!


ウ゛ーウ゛ーウ゛ー





あぁ、空耳まで聞こえるよ


ウ゛ーウ゛ーウ゛ー


そりゃ、いつもの癖で携帯持ってるけどさ


ウ゛ーウ゛ーウ゛ー


ここ、異空間なわけだし?





そんな俺に、櫻が言った。


「蒼様? 何か音がしませんか?」


…マジ?


ウ゛ーウ゛ーウ゛ー





ピッ


「もしも…」


《せーんせ〜い!! 今どちらにいらっしゃるんですかあぁ!》


どちらにって…


「…」


《突然いなくならないで下さいよ〜! 仕事して下さいよ〜!》

「やかましい! 今思い切り仕事中だ、ボケ山田!」

《え? ええ〜!?》


この反応、この声…


それは間違い無く


パシリ…じゃなくて


下僕…でもなくて


一応助手という肩書きの男の声だった

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